アブランガイド

ラーメン二郎とアブラの魅力について語ります

ラーメン二郎大ラーメン全マシで全店制覇 part5 品川店

ラーメン二郎大ラーメン全マシで全店制覇

5店舗目 ラーメン二郎 品川店
大ラーメン全マシ

 

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オフィス街ということもあって、平日の夜はスーツを身につけたサラリーマンが列をなしている。このストレス社会に生きる彼らはどこか物憂げな表情を浮かべている。彼らはきっと一種の救いを求めて二郎に来てしまうのだろう。「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」と心で唱えながら。

俺も品川店(通称シナジ)のような二郎の老舗にくると厳粛な教会のようで、思わず祈らずにはいられない。一生遊んで暮らせるお金が入りますように、オードリーヘップバーンのような子に告られますように、週に1度は叙々苑で特選カルビが食べれますように、と厳かな気持ちで手を合わせることに全くやぶさかではないのだが、やはり懺悔もしなくては。満員電車でニンニクマシマシにしてごめんなさい、シルバー・シートに堂々と座って、老人が前に立っても寝たふりしてごめんなさい、小学生の時お菓子万引きしてごめんなさい、他人の子供をグーで殴ってごめんなさい。クラシックな二郎はオレのような俗に塗れた薄汚れた大人を一瞬だけ清らかにしてくれるのだ、しかしいざFZを大量摂取し卓上の調味料をぶち撒けたら、オレにも女を回せ、この野郎と野獣全開になってしまうのだが、いい大人なのに止まない性欲が憎いよ、全く、君って全くと歌い上げてしまいそうになる。

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二郎はラーメンにあらず、二郎という食べ物であるとかしたり顔でいう人が時々いるが、あくまで二郎の味の原点は「ただのラーメン」なのだ、とシナジに来ると改めて思う。どこか懐かしさを感じる味且つ性欲マシマシの劣情ジロリアンも充分に満足し欲を満たすことができる、この相乗効果(シナジー効果)が人気の所以なのだろう。

目黒や上野毛、仙川などと同様、過度に乳化しない、麺が太すぎず、豚はみっちりしたギュチ豚。FZとグルエースの旨味をダイレクトに感じられる、店員に過度な笑顔などはないが的確な仕事と親密な雰囲気、そして、当たり前だが美味い。これが三田で昔から供されている二郎を継承した一杯なのだろうと改めて感激する、今時この値段でこのボリュームのラーメンを供してくれるのはほんと感謝しかない。今回も勿論大ラーメンを購入。

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非乳化なくっきり味のスープは、液体脂と白い個体脂をまとって、とても奥深い味わい。麺は標準よりはデロ気味で、もちっとした中太麺の風味と触感がスープに絡んで、食べ飽きない。麺量は大で400g くらい。

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同じ二郎でも、こういうオールドスタイルな二郎もあれば、独自の特色を前面に出してくる二郎もあって、このような多様性も二郎の魅力の一つなのである。そして、シナジのようなクラシックタイプの二郎もちゃんと残っていて、それを支える長年のファンがいるというところに二郎の強みがある。いぶし銀な貫禄の名店であった。ご馳走様でした。